堂々とする奇跡

kaijinsha2005-06-12


声も出ない程の恐怖を覚えるホラー、僕等の間で都市伝説として確立していることの一つに“自分を見失ったファッション”というものがある、服を着ているというより服に着られているといった主従関係が逆転してしまっている人達、無駄金を使うことを金をドブに捨てる行為と言うが、彼等のファッションへの投資に関しては150キロで金をドブに叩きつけその跳ね返りで己が泥だらけになってしまう様なこの上ない無駄っぷり、つまりはマイナスへの自己投資なのである。しかしながら、ある日、僕はそんな価値観を揺さ振られる運命の人に出会う、渋谷で出会った彼女は恐らくノーメイクの顔面無法地帯っぷりの上に服だけ見れば巷でセンスがあるといわれるファッションで着飾った、つまりは違和感極まりないホラースタイルで人前に出るという行為を実行していた、が、しかし、彼女の持つ小物が僕に衝撃を与える、肩掛けの小さいブリキ製の奇怪なバッグに画面からはみ出さんばかりの巨大な一言、“LOOK.AT.ME”・・・!!!こっ、これは法で許されているのか・・・ヤー
さんに「俺を殴れ!」と脅されているようなもんである、殴ってもたぶんその後殺される。しかしながら、しかしながらである、不思議な感覚が僕の内蔵をえぐった、ランボーですら突入をためらであろうその光景は僕に新しい価値観を構築させてくれたのである、“堂々とすること”例えばある日、先生が全裸で教壇に立ったとしても、心から堂々とすることにより、なんか許せてしまう、中途半端にファッションに歩み寄ろうとしていくらかの恥ずかしさが心の内に潜んでいる奴ら、筋の通っていない奴らは見るに堪えない醜態を曝してしまう、が、しかし、そこに一言、私を見ろ!と堂々と宣言しさえすれば、どんな醜態も、一変してすがすがしい気持ちにすらなれるわけである、ある種ストリッパーと通ずるものがあるこの“恥ずかしいものは逆に堂々とすることで正当化する”という真理、是非とも舞台の上で実践したいものだ。スベッたところで堂々とする、決してアフターフォローするでもなくとにかくただひたすら堂々とする、これでいこうと思う。・・・ これからは、基本
的になんてことない日記みたいなもんを毎週土曜に書いてこうと思う。 あくまで堂々と。